所在地
埼玉県戸田市
竣工年月
2025年6月
構造・規模
鉄骨造・3階
延床面積
248.91㎡
種別
新築
STORY
私たちが大切にしているのは、設計図をただ再現することではありません。現場で実際の使い勝手や納まりに違和感がないかを徹底的にチェックし、トラブルの芽を未然に摘むことを心がけています。設計図面の段階では、階段の天井高が約170cmと低めに設定されていましたが、実際に使う場面を想定し、190cmへと修正しました。階段と壁の納まりについても、設計通りに進めるだけでは生じてしまう余白や違和感を、現場で細かく調整しています。仕上がりを見れば、どこにも不自然さがなく、美しく納まっています。さらに、社長室の収納についても、階段下の空間を最大限活用できるように階段下場をカットし、広く快適な収納スペースを実現しました。このように、実用性への気づきを大切にし、細部の納まりや使い勝手にまで目を配る姿勢が、日々の仕事の中で自然に根付いています。デザインと実用性、その両立こそが高品質な建物づくりにつながると考えています。
“気づき”は、会議室の設計にも反映されています。もともと設計図ではアーチ型の入口で、上部に空洞があるデザインで計画されていましたが、「会議室は外に音が漏れにくいほうがいい」と現場で指摘がありました。そこで、入口を天井まで届く全面ガラスとし、ドアもガラス戸へ変更。密閉性を高めることで防音性が格段にアップしました。このガラス仕様はデザイン性も兼ね備えつつ、コスト面でもアーチ型よりも抑えられるというメリットもありました。設計図通りに進めるだけでなく、現場目線の工夫が、実用性とコストパフォーマンスの両立につながっています。
日本では設計事務所がインテリアまで一括で担うことが一般的ですが、ヨーロッパでは、インテリアの専門家が空間の印象や居心地を大きく左右する存在として活躍しています。今回のプロジェクトでもインテリアコーディネーターを加え、セカンドオピニオン的な提案を積極的に採り入れました。当社のプロジェクトでは、コストバリューを最大限に活かすことで、「ここはデザインにこだわりたい」「ワンランク上の仕上がりを」といったご要望にも、柔軟に対応しています。設計事務所と協働しつつ、インテリアコーディネーターの提案を現場での細部の納まりにまで反映し、最後までこだわり抜いて形にしています。インテリアコーディネーターの視点が加わることで、空間の完成度が一段と高まる──それを現場で実現できるのも、私たちの強みです。
建物づくりは、図面通りに進めるだけでは、本当の価値を生み出せません。現場での気づきや、専門家による多角的な提案が加わることで、はじめて理想の空間が形になります。今回のプロジェクトを通じて得た経験と知見を、次の建物づくりへ。これからもお客様の声に耳を傾け、一歩先のご提案で“理想のカタチ”を共につくっていきます。
GARALLEY